季節外れの ‥‥21

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一応、お湯を沸かしてお茶の用意をする。 もちろん、用意しているのは義行だが‥‥‥ 「なぁー。義行。誰かお客さん来るンかな?」 「ン?」 「俺ん家にお客さんなんかないのにな。‥」 所在無さ気にウロウロしている徳一がまるで動物園の熊のようで義行はつい、笑ってしまう。 「クスクス、‥でも、割り箸四人分あんで。‥」 徳一に見せる。 「せやな、‥‥誰やろか。‥」 「電話でゆうてなかったン?」 「ぅん‥ただ、家に居れよって。」 「そっかぁ、‥もし、仕事のお客さんやったら僕らも一緒に食事せぇへんよな。」 二人顔を見合わせて、 「「あ゙ぁ゙ー!!」」 声を揃える。 「絶対に彼氏やで。」 「うん。僕もそう思た。‥何か、ムッチャ楽しみやん。 ‥ン?徳一、どうしたン?何で浮かない顔してン?」 義行には、やっぱりおじさんが盗られられそうで嫌な風に思えた。 「‥えっ、‥あぁ‥何か‥‥嬉しい事やのに、‥‥心の準備ってゆうンか、‥先生やなかったンやって思て。 何か‥‥淋しいとゆうか。‥」 「そっかぁ、‥‥ホンマに先生とやったらええのにな。 けど、先生は今頃彼氏の看病やろうし。‥」 「‥‥はぁー、‥‥何か‥憂鬱やなぁ。」 「って事は、まだおじさんの事‥‥」 妬きもち妬きの義行が後ろから徳一を抱き締める。 「‥///‥ちょ、‥ちゃうから。そんなんやない。 ただ、単に相手に会うンが、‥堅苦しいやんか。」と笑って顔を見上げる。 安心した様にフワリ、笑うと 「おじさんの選んだ人やんか。‥‥ずっとずっと、待ってた人やで、やから、大丈夫や。 きっと上手い事いくから。 それにな、まだ紹介されるって決まってないやん。 なっ。」 「ぅん‥俺な、多分どんな人でもかまへん。 オヤジが幸せになれるンやったら。‥ オヤジが幸せやったら俺、‥安心して義行と幸せになれるやん。」 照れくさそに笑う徳一がいつも以上に可愛いく見えて、義行は抱き締める腕に力がこもる。
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