季節外れの ‥‥21

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「清美さん。‥‥貴女を恨んでた俺を許してください。 そんで、‥ありがとございます。 俺、上手い事ゆわれへんけど、‥‥ 幸せになります。‥ 貴史と一緒に、‥子供達と一緒に、‥皆で‥‥貴女に心配かけん様に‥‥ 俺、頑張ります。‥やから、安心してください。 ほんで、ホンマに有り難うございます。‥」 俺は写真に向かって語った。そんな俺に、 「なっ、安心したやろ?」と、笑いかけ、 「一裕、ありがと。‥」と、小さく呟く。 「‥‥ほなっ、‥子供等に紹介しよか。」 その言葉で忘れていた緊張感が甦る。手には嫌な汗が噴き出していた。 「どうする?ここに呼ぼか?それともリビングに行く?‥‥ 先にアイツ等に座らせとこか?」 「‥ぅん。‥後で呼んでや。‥俺、ここで待ってるから‥‥」 緊張の為に俯いた俺の頬に手をあて、クスッと笑う。 「あぁ、わかった。ほなっ、リラックスしてんやで。後で呼びに来るからな。」 そうゆうて部屋を出て襖を閉める。 ‥ハァー大丈夫やろか。 心臓がバクバクしてるし、‥膝はガクガクやし‥‥ わき汗も半端無いし‥‥ ふと、写真の清美さんと目が合う。 ‥大丈夫。 そうゆうて笑った笑顔に見えた。 「そうやろな。貴女の子供やもんな。‥ ええ子に決まってるよな。」 本心から言葉が出た。 部屋を出たアイツが階段の下から声をかけている声が聞こえた。 「オーイ、もうええで‥静かに降りて来いや。」 トントントン‥‥‥ 大人しく降りてきて耳打ちをする。 「なぁ、親父。‥‥どんな人なん?」 「ン?‥ええ人やよ。お母さんの前で正直に話してくれた。‥ 俺とお前ら二人と一緒に幸せになる。って誓っとった。」 「俺らもなん?」 「僕なんか‥‥他人やのに‥‥」 「けどな、アイツはお前らも幸せでないと自分等も幸せになれんと思てるみたいや。」 話をしながらリビングに行く。 回りを見回した二人が、 「居らへんやん。」 「あぁ、まだ、心の準備が出来てへんのやと。 まぁまぁ、じっと座っとき。」
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