季節外れの ‥‥21

15/16
前へ
/343ページ
次へ
そう問いかけられて、反対に俺は 「そうやな。‥‥でも、俺等も徳一と義行にとっては邪魔物やろ?」 と、意味深な笑いを投げかける。 「先生、止めてや。‥‥まだ、おじさんの前で今みたいな事してへんし。‥‥‥先生こそメロメロやん。‥」 「ええやろ。‥俺、ずっと夢見てたんやから。‥ コイツが傍に居って、‥‥ 子供等が笑って俺を受け入れてくれて、‥‥ それで、‥好きな時に好きやって伝える事が出来て‥‥抱き締めてもらえる。‥ 誰に遠慮もせんと、‥‥ずっと、寄り添える。‥‥」 なっ、‥と、肩越しにアイツに微笑むと照れくさそうに鼻の頭をかいた。 「ん、‥‥長かったよな。‥‥」 と、俺の髪を梳く。 俺は嬉しくて、アイツの顔を見上げてからまた、肩に寄りかかる。 「ええなぁ、‥先生ムッチャ幸せそや。‥ でも、‥ホンマにええん?‥‥エロオヤジでも、‥」 「ぅん、‥俺にはとっては。‥ やって、‥俺の永遠の想い人やから。‥////‥替わりなんか居らへん。」 呆れかえった二人は、 「なんか惚気話ばっかやな。‥ あんなけ、学校で泣いてた癖に。」 「ばっ、‥///‥ゆうなや義行!」喋るのを遮ると、 「何?‥俺そんなん知らんで。 義行、ゆえ! 俺が許す。」 「あのな、‥「ゆうなや!」」 言葉を制するが、 「かまへん。俺が許す。」 そんなやりとりの中、義行が保健室であった出来事を話す。 俺はまともにアイツの顔を見れずに横を向いていると、そっと俺の髪に手を差し入れて頭を撫でる。 「ホンマに全然変わってへんな。」と、耳元で囁く。 頭を抱き締められてアイツの胸に収まる。 「しゃぁないやん。‥‥やって、‥俺、お前の重荷になりたないし。‥‥ 困らせたないやん。‥‥」 「あぁ、わかっとるよ。‥俺の幸せを考えてくれてたんやな。‥ でもな、何もかも一人で抱え込むな、‥なっ、一人で思い悩むな。‥ 俺が傍に居るから、‥やから、今度は二人で。‥なっ。 何回もゆうけどお前が傍に居らな‥‥‥俺は幸せやないからな。」 「ぅん、‥」 胸の中から見上げると、俺にだけ見せる優しい笑顔がそこにはあった。 「なんや、オヤジ 格好の良ぇ事ゆうてるけど、オヤジかて大概やんなぁ。」 「そうやよな。凄かったもんな。」 と、二人が言いかけたのをアイツは黙って、ばらすなよと睨みをきかす。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加