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「何?‥教えてや。」
「ゆうなや!」
「何で? 先生の全部聞いたやん。‥‥もしかして、オヤジ照れてるとか。‥」
「うっさいわ!」
「徳一、ゆうてや。」
「アカン!」
「ずるい! 俺かて知りたい。」
「アカンって、‥なっ。」
俺を宥めにかかるが、退くわけにはいかない。
「ずるい!」
「もう済んだ事やし、‥なっ。」
「何でやねん。」
「恥ずかしからや、‥」
「ええやん。‥俺な、お前の12年間なんも知らんねんで。‥‥今からでも、‥何でも知りたいやん。‥‥」
わざと落ち込んだ様にしおらしくゆうと「‥ゴメン。‥」と、謝ってくる。だから、‥
「なぁ、話してよ。‥‥語ってよ。
詞にしてよ。‥‥歌ってよ。‥」と、おどけてしまう。
「オカマかぁ~。」と笑う。
「先生って、ノリが高校生やん。」
「まぁまぁ、おじさんも聞いたんやし。徳一話たったら?」
「ぅん、‥あのな先生を傷つけたってゆうて一晩泣きあかしたんやで。‥この不良オヤジが。」
意外な事を聞いて、
「 嘘。‥‥えっ、ホンマに!」
「ぅん、凄かったで。先生も罪やで友達って、‥そんなんこのエロオヤジが耐えられるわけないやん。」
徳一の声はもう俺には届いてなかった。アイツの胸ぐらを掴んで
「ホンマなん?なぁ、ホンマに?」
「‥‥あぁ、‥」
「ホンマに、‥‥そんなに俺の事‥‥」
嬉しくて言葉に詰まる。
「あぁ、‥もうええやろ。これで、まぁ、‥お互い様や。」
「ウッワァ、‥‥ホンマなんや。‥‥」
「この話はおしまいや。‥ほらっ、ちゃっちゃっと食べてお前等は映画でも観てこい。」
「「は~い。」」
二人は呑気に返事して食べ始める。それをみたアイツは
「わかっとるな。」と、小さく囁く。それに俺は「///‥ぅん。」と、頷く。
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