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アイツは食後の一服とばかりにソファにふんぞりかえっている。
多分いつもの光景だろう。
俺が二人と後片付けをしながら雑談にはながさく。
「先生ごめんな。‥ホンマにエロオヤジで。‥‥でも、見捨てンといて、なっ。‥ホンマにオヤジの奴ずっと、先生の事待っててン。‥‥
ホンマに、好きやないとでけへんって。‥‥」
「ありがと。‥俺の方こそ‥‥ホンマに俺でもええンか?‥‥その‥こんな俺やけど、‥‥」
ボソボソとやりとりをしていると義行が、
「先生、僕と最初に会った時にゆうてたやん。‥
誰だって好きな人泣かせたない。って。‥‥
大切な想いを否定されたない。って。‥
それって、自分の事やったんやろ。
僕等は今まで先生の想いを見てきた。
先生が一杯悩んだんも、知ってる。
どんなけ、‥好きなンかも、‥‥なっ。」
「そうやで、先生で良かったってホンマに思てるンやで。
やから、‥幸せになってから欲しいねん。‥
それにオヤジから聞いた。‥先生ゆうてくれたんやってな。‥
俺等と一緒に‥‥幸せになりたい。‥って。
俺等、皆で家族になるんや。って‥‥
‥俺な、嬉しかった。‥」
「僕も、‥嬉しかった。」
「‥‥‥」
「やからな、心配せんとってや。俺等は先生の味方ってゆうたやん。」
「ありがとな。‥‥二人共、‥ホンマにありがとな‥‥」
嬉し泣きしそうな俺に
「オヤジが浮気したり、無茶ゆうた時はおせてな。俺等でシバき上げたるから。」
「アハハ、無理やろ。アイツ、喧嘩無茶苦茶強いで。」
「先生も強いンやろ? 黒帯やんか。」
「まぁな、‥けどなアイツに昔ゆわれてん。いくら、段持ちでも黒帯でも喧嘩はなんでもありやから、って。‥‥やから、お前は手ぇだすな。‥って‥‥」
「マジで?‥はぁー…もうホンマに不良オヤジなんやから。‥」
「ハハハ、おじさんらしいな。‥やっぱり、昔から先生には優しかったンやな。」
「なんでそうなんねん。‥////恥ずかしなぁ。‥」
「やって、空手してたりボクシングしてたりしたら、身体全体が凶器やから何かあったら捕まるもんな。」
「‥‥まぁな。」
俺は昔を思い出していた。
‥そういや俺、いつもアイツの喧嘩見てただけやったな。
ぼんやり昔を懐かしんでいる俺に
「先生?‥心配せんでも僕等このあと出掛けるからな。」
「うん。親父の事宜しく頼むな。」
「ありがと。‥‥」
片付けが終り義行がコーヒーを淹れてくれた。
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