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俺は冷蔵庫からお土産にと買ってきたプリンを用意する。
「先生、プリンやんか。こうてくれたﾝ？」
「あぁ、‥手ぶらやとアカンしな。」
「これって、‥‥あの店のやろ？‥」
と、義行が意味あり気に笑う。
「あぁ、おせてもろたとこや。‥貴史が、旨いってゆうたし‥‥それに、子供らもプリン好きやって聞いたし、‥‥」
「ええって言い訳せんでも。どうせ親父が我が儘ゆうたﾝやろ？」
そう言ってプリンを1つ取り仏壇に供えにいく。
「あっ、俺が持っていくで。」
「ええって、親父の傍に居りや。」
「‥///」
何も言い返せず黙ってアイツの隣に座る。
戻ってきた徳一に
「先に選びや。」
「えっ、俺一番でええの？やったね。じゃぁ、‥‥俺、これ。
ありがと、頂ます。」
「じゃぁ、僕はこれで。」
義行はいかにも徳一が好きそなのを選ぶ。
義行が選んだのをみて
「俺、そっちにすればよかったなぁ。」と呟く。
「クスクス。‥半分こしよや。」
「ええの？ ありがと。」
そんな二人のやりとりをみて、
「アハハ、親子揃って欲張りやな。」
「ﾝ？ 親父もなん？」
「あぁ、そうや。 前回そうやったもんな。」
「ええやないか。好きなんやから。」
「まぁな、そんで貴史はどれにする？」
「普通のやつでええで。お前と食べるﾝやったらどれでも美味しいしな。」
と、ニヤニヤ笑う。
「‥俺、今日はせぇへんで。」
「じゃ、俺食わへんからな。」
そうゆわれると仕方なく小さい声で「‥一回だけやで、‥‥」と言ってしまう。
もう既に食べ始めた徳一が、
「でも、親父プリンって食べへんかったやん。」
「まぁな。」
「何で？」
「ほっとけや。」
「意味あるん？‥なぁ、」
勘のいい義行が間にはいり、
「まぁまぁ、別にええんとちゃう。
どうせ昔一緒に食べたとか、願掛けとか、‥そんなとことちゃうかな。」
「うっさい！ ウダウダゆうてんとちゃっちゃっと食ぅてまえ‥///」
箱からプリンを取りだしながら怒鳴り付けるアイツの顔が少し紅くなった。
プリンを手渡され俺はスプーンで一口すくう。
二人が見ている前では恥ずかしい事だが、
「ほらっ‥‥」と、ぶっきらぼうに口元に運ぶと前回と同様に嬉しそに笑う。
「旨っ！‥やっぱええねプリンってゆうんは食べさしてもらうんが一番旨い。」
「////‥そっ‥‥そうか？」
「あぁ、‥‥」
そう言って俺を見つめる。
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