季節外れの ‥‥22

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「なぁ、先生は食べへんの?」 徳一が二個目を狙って聞いてくる。 「あぁ、‥俺甘いのはチョッとな、‥食べてもええで。」 「ありがと!‥」 「こらっ、欲しいンやったら僕のあげるから先生の分取りなや。」 「ええー!」 「今、食べへんかっても後でおじさんと食べるから‥‥後で僕がこうてあげるから、なっ。」 「ホンマに?‥約束やで。」 「うん。」 そんな他愛もない会話の中、和やかな筈なのに苛立ちの隠せない不機嫌なアイツ。 苛々とせっかちに煙草を消しながら 「お前等ええ加減に出掛けろや!」 怒鳴り付けられても平然とした顔の二人が 「軍資金がないから映画も見られへん。」 チッ、と舌打ちして財布から 「ほらっ‥」と万札を一枚。 「やったね。親父ムッチャ気前ええやんか。‥先生の前やから格好つけてて、‥‥後で返せへんで。」 「アホか。俺はいつでも格好ええねん。なぁ、‥」 「えっ?‥///‥うん。」 「先生も照れてんと、‥親父甘やかしたらアカンで。言いかえさな。」 「えっ、‥でもや。‥///」 アイツの顔を見て照れてしまう。 「ええ加減にせぇ。一裕をからかうな。」 「クスクス、おじさん、やっぱ優しいなぁ。」 「じゃかましいわ。早よ行け!」 「「はーい。」」 二階に逃げる様に上がり上着を羽織る。 「ほなっ、行ってくるで。」と声をかけられ、 「あぁ、気ィつけてな。‥‥帰りは遅てもええからな。」 とアイツがゆう。 「心配せんでも帰る前にはちゃんと連絡いれるから。」 「せやな、そうでないと先生も大変やしな。」 含み笑いした義行が俺を見る。 「////‥あっ、アホかぁー!」 「クスクス、まぁまぁ怒らんと、‥‥なぁ親父晩飯どうすんねんな。なんかこうてこよか?」 アイツはリビングに居たまんま返事をする。 「そやな、適当でええで。なんやったらホカ弁でもええし。」 「アカンって、先生も食べてくんやろ?」 「えっ?」 「当たり前やんな。先生。」 「せや、先生泊まったら。俺等気にせぇへんし。」 真顔で徳一にゆわれて戸惑うが平静さを保って、 「そんなん無理や。」 とかろうじて答える。 「クスクス、気にせんでも俺義行の所に泊まるで。」 「アホな事ゆうてんと早ょいけや。時間が勿体無いやろが。」 アイツが怒鳴る。 「ハイハイ、‥じゃあね、先生親父を宜しく頼むな。」 「///‥うん。‥‥その‥なんや‥‥ありがとな。無理きいてくれて。‥」
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