季節外れの‥‥3

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帰り道を急ぎながら、 ‥チッ はじめてのり君を怨んでしまうやン。 さっきの無理した笑顔が脳裏に焼き付く。 ‥またあんな顔させてしもた。 携帯を開き登録して、アドレスを聞き忘れたのに気付く。 「チッ‥ただいま‥」 リビングに入ると徳一と義行がテレビを観ていた。 仲良く並んで座って居るのを見て苛立つ。 「アッ、おかえり。随分長いトイレやね」 「‥うっさいわ!ナンの用やねん」 「義行がケーキ買ってくれてン。やから、  一緒がええやン。」 眉間に縦皺がはいる。 「はぁー!?‥今日は晩飯作らへん!義行頼  んでええか?ケーキは要らん!」 「なっ?‥オヤジどうしてん、ナンかあったん  か?」 「じゃかましわーー!仕事迄、寝る!」 八つ当たりナンはわかってるし、親の態度としては最低って知ってる。けど‥ ‥たかがケーキで呼び出すなや ‥二人を見とったら暴れてしまう 「くそッ‥‥」 ベッドに転がり、電話帳を開く。 もう一度掛け直そうか。今からやったら、ちょっとでも話が出来るはずや。 けど、何てゆうたらええねん! 「ぁ"あ"ーー!」 俺は思春期かぁーー!! ‥バァンッ!! 枕をドアに投げつけてふて寝を決め込んだ。
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