季節外れの‥‥3

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リビングにいくと、ミルク多目のコーヒーとケーキが用意されていた。 二人共待っていてくれたので礼を言う。 「アッ、義行ありがとな。花、綺麗にして  くれたンやな。」 「いえいえ、勝手知ったる家やから。」 と笑う。 冗談混じりに、 「ええ嫁さんにナンで、俺欲しいな。」 「なっ‥!アカンで!!義行は俺のやー!」 徳一が叫ぶ。その後みるみる顔が真っ赤になって挙動不審になる。 義行はそれを見て、笑いを堪えるのに必死だ。 「‥笑わンとって‥」と、口を尖らす。 ‥俺今、幸せやなぁ〓。 しみじみと思う。 ‥アイツ、1人なんやろか。  昔みたいに隅で膝抱えて俯いてないやろ  か?  震えそうな自分を抱き締めて…  俺を怨んでるやろか…  それとも…他の誰かに想いを…… 急に黙り込んだ俺に二人は心配そに、 「どないしたン?」 「ナンもない…ちょっと思いだしただけや。  今度は1週間位家空けるから、義行‥‥  頼んどくな。」 面食らった二人に、信用してンで‥とだけ言って仕事の準備に取り掛かった。 いつものカバンに着替えを詰め込み、カメラのチェックをする。手帳を見て電車の時間、打ち合わせの時間等確認してから、変更がないかメールをみる。 発信履歴を開き登録を確認する。《藤原》 ‥かけてもええやンな‥ 下からはチキンライスの匂いと楽しげな声が聞こえてくる。 ‥家からやと又、ヘンに勘繰るか‥ 考えた挙げ句、早い目に出掛ける事にした。 下にいき、キッチンに声をかける。 「ほなっ、行ってくんで!徳一後は任した  から‥義行も頼むな」 慌てて二人が飛び出してきて、 「エッ、食べていかへんの?」 「ケーキ食べたやン。もう無理、入らへん」 行ってきます。とだけ言い足早に家をでる。
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