季節外れの‥‥3

9/16

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
駅までの道を急ぐ。辺りは暗く気温が下がり寒い。 まだ時間に余裕があるのを確認してから、電話を掛ける。 トゥルルートゥルルーー‥‥ 発信音が聞こえて拒否られていない事に、ホッとする。 留守電に切り替わり、もう一度かけなおす。 トゥルルートゥルルーー‥‥ 中々でてくれない‥‥ ため息が零れ、苛立ちが募る。 「ナンやねん!!ちゃっちゃとでろやー!」 思い切り側のゴミ箱に蹴りを入れる。 ‥ヤッパ、12年間って長かったンや  お前を好きやって気持ち諦めた無いから‥   「クッソォー! グダグダ悩むのは性に合わん。  ゆいたい事ゆうたる」 もう一度かけなおす。 やはり留守電に切り替わり余計苛立つ。 「一回しかゆわん! 逢いたいねん。仕事終  わったらまた掛けるから、必ず次はでろ  や!! ええなっ!諦めヘンで」 言うだけ言うと少し苛立ちが治まった気がする。 はぁーと、一息つくと直ぐに頭を仕事に切り替える。少し早めの電車に乗り込む。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加