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駅までの道を急ぐ。辺りは暗く気温が下がり寒い。
まだ時間に余裕があるのを確認してから、電話を掛ける。
トゥルルートゥルルーー‥‥
発信音が聞こえて拒否られていない事に、ホッとする。
留守電に切り替わり、もう一度かけなおす。
トゥルルートゥルルーー‥‥
中々でてくれない‥‥
ため息が零れ、苛立ちが募る。
「ナンやねん!!ちゃっちゃとでろやー!」
思い切り側のゴミ箱に蹴りを入れる。
‥ヤッパ、12年間って長かったンや
お前を好きやって気持ち諦めた無いから‥
「クッソォー! グダグダ悩むのは性に合わん。
ゆいたい事ゆうたる」
もう一度かけなおす。
やはり留守電に切り替わり余計苛立つ。
「一回しかゆわん! 逢いたいねん。仕事終
わったらまた掛けるから、必ず次はでろ
や!! ええなっ!諦めヘンで」
言うだけ言うと少し苛立ちが治まった気がする。
はぁーと、一息つくと直ぐに頭を仕事に切り替える。少し早めの電車に乗り込む。
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