季節外れの‥‥3

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ジャァァ───ッ 熱めのシャワーで頭を洗い流すと気分が少し軽くなる。 ゆっくり湯船に浸かりぼんやり今日を振り返る。 中々のええ1日──‥ そう思える。単調な日々の中で、アイツに逢えた だけやのに‥ 掴まれた左の手首を見る。うっすらと紅く色づき夢じゃない事を物語る。 改めて肌が白いと恥ずかしくなる。 ソッと自分の手を重ねゆっくりと力を込めていくと、感覚が甦る。 切なく胸の奥が傷む。と、同時に薄く開けた口から吐息が洩れる。 「‥ンッ‥ン‥ハアッ‥‥」 30になったとはいえ、人並みに性欲はあるつもりなのだが、日々の暮らしの忙しさと疲れからその気が全くなくなっていた。 殆ど自分で枯れ果てた気がしていたのに ‥アカンッ‥ア‥思い出すだけで‥ウンッ‥ 自分の手を離し、キツく掴まれた腕を見る。二の腕には手首よりはっきりと紅く痕が点いている。指の痕までもわかるくらいに ‥どんなけの力やねん 腕の痕を指でなぞり自分を抱き締めるかの様に左腕を掴む‥‥ 身体の芯から痺れるような熱い塊が湧き出てくる。 ‥ンッウ‥イッ‥ア‥‥ 知らず知らず自分自身に手が伸び抑えが効かない。 アイツとの初めての行為がおもいだされて‥ ‥手が止まらなかった。 ‥口から吐息が洩れ、ここにいるはずのな  いアイツを求めた。 ‥片手で口を押さえ声を殺して、  目からは切ない涙が溢れた。   ‥果てる瞬間   ‥名前を呼んだ     ‥たぁ‥か‥‥ふみっ‥ンッ‥
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