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オヤジが出掛けるのを見送って、夕食の支度を続ける。
徳一が不意に二階に上がり手帳を持って戻ってくる。
「何なん?」
「コレやねん。オヤジの日記なんよ、なぁーちょっとだけ見てみてみ」
「だから、アカンって‥」
話を聞かず、徳一は説明をしだす。
オヤジの居てへン時はいつも俺が家を任されてるやン‥
いつもみたいに掃除しに部屋に入ったら、珍しく机の上に手帳が置いてたんよ。
気になるやン‥、ちょこっとだけ見てみたら かなり古かってン。
‥えっらい古いなぁーって、もうボロボロやン‥
あっちこっち傷んでかなり補修してあって
かなり大事にしてる感じやなぁー。
って、思たら中見て見たなるやン‥。
(アカン、コレ‥日記やン‥)
慌てて元にもどしたけどヤッパ知りたいねん。
オヤジの若い頃の話って全然知らんから‥
無茶苦茶、古そうやったからスッゴク気になって
「ごめん、オヤジ、ちょこっとだけみるで。」って一応はことわって‥
「中を見たんやね。」呆れた顔で義行が言う。
「やって、何か無理してンねんもン! いっつも俺のせいでオヤジの‥幸せて何かなぁって‥」
項垂れた頭を撫で
「おじさんの幸せって‥徳一とちがうン?」
「そっ‥そんなんアカンよ!絶対に好きな人おんのに‥」
「何で?」
「書いたぁるから‥」
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