季節外れの‥‥5

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徳一は相変わらずの無邪気さで質問を被せてく る。 「先生ー、いくつなん?」 「いくつでもええがな。」 「彼女おんのー?」 「どっちゃでもええやろ!」 段々と腹がたってくるが、二人があんまり嬉しそに笑うので、ついつられてしまう。 ええ加減に答えながら気がつけば家に着いていた。 軽くストレッチしながら、 「義行、コイツにちゃんと言い聞かせといてくれるか ?仮にも俺、目上やで。」 「すいません。気さくで表裏ないのがコイツのええトコやから」 「アハハー、モノは言いようやな。」 たわいない話をしてるうちに、朝練のある徳一が先に学校へ‥ 階段を上がりながら義行が、 「ホンマに先生何かあったン?」 「‥あのねぇ、昨日今日知り合った しかも生徒に何で心配されなアカンの。」 俺は少し意地悪く言ってしまった。 「せっかく隣同士やし仲良くしたいやン。」 「仲良くしてもええ事なんかないで。」 そう言って部屋に入ろうとすると、 「じゃあ、保健室に相談に行くわ。」と、笑う。 「こんでええ‥」 「やな顔せんとって、昼休みに行くわ。」 「こんでええ‥」 「僕な‥淋しンやで‥」と項垂れる。 ‥そや‥コイツ一人ぼっちなんや‥ 「ごめんな‥ええよ、いつでもきィや‥話し相手になったるよ。」 「ホンマに、絶対やで。」 ニヤッと笑う。 「お‥おんっ‥」 何か巧いことはめられた気が‥‥
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