季節外れの

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初めは勉強する気なんか、ちぃーっともなかった。 「大学は行っとき。その方がええ‥」 アイツの言葉で入った様なもんやから‥‥ 好きな奴に最期にええトコ見せたい!    其だけの事や‥ やけど‥‥  何で離れなアカンかったンやろ‥‥ 気付かん俺もあほやけど‥ ‥アイツは傍に居らへん 大学では心理学をはじめ人間行動学から必要と思うもンは全部学んだ。 時間も詰め込めるだけ、詰め込んだ。 教科教諭よりも、保健室の養護教諭になりたいからだ。 取り敢えず取れる資格は全てという感じだ。 図書館司書もその一つに過ぎない。 学校に対して良い思い出がなかった俺が、たった2年間の想いに取り付かれている。 別れの日にお前は ‥一時的な気の迷いや‥ってゆうたけど   そうやなかった。 ‥大丈夫、直ぐに忘れるわ‥ってゆうた   そんなんでけへんかった。 女の子と付き合おうと思っても、俺の心の中のお前が邪魔すんねん。 お前が悪い訳やないけど‥ よく似た子を探してしまうねん。髪の色、癖、瞳、唇の形、耳、手、指、ナンもかも全部や‥ ソレでお前やないとわかって、冷めてしまうねん。 ただ時間だけが、  お前と出逢う前も     出逢ってからも     別れてからも おんなじやねん‥穏やかに流れてンねん。 だから、今日が明日にしかならへんように 俺の時間もお前にだけに繋がるように ‥‥そう思って、頑張ってきたンや‥ サッカーしかなかったお前と同じで、俺にはお前しかないって想い知った。 あの日の事実が俺の全てで、抱き締めたぬくもりだけをこの胸に感じて頑張ってきたンや。
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