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その日はたいした怪我人も病人もなく、滞りなく過ぎた。
毎日同じだ。
朝は決まった時間に起きてランニング。
駅前を通り過ぎ、河川の土手を周り朝焼け。
その頃には、徳一と義行が自転車で並走してアパートへ‥
汗を流して学校。
学校ではたいしたこともない。
しいてゆえば、徳一と義行がちょくちょく遊びに来る。
そして毎回同じ質問の繰り返し。
代わり映えのない日常‥
それでも朝の決まった時間に留守電が入る。
《おはよう‥》一言だけ
夜には日が変わる前に
《おやすみ、また明日‥》
あの日からずっと続いている。
昔のアイツからは想像でけへんくらいマメや‥
わかっている。電話に出ればええ事ぐらい
‥簡単な事や。
けどね、なんかアカンねン‥
泣いて、すがって、我が儘ゆうて、罵ってしまう。女みたいに‥‥
アイツが嫌いなタイプになってしまう。
嫌われとうないやン‥
やから、《おはよう‥》《おやすみ、また明日‥》がある間は
仕事中やからと思って、俺は待っていられる。
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