季節外れの‥‥5

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その日はたいした怪我人も病人もなく、滞りなく過ぎた。 毎日同じだ。 朝は決まった時間に起きてランニング。 駅前を通り過ぎ、河川の土手を周り朝焼け。 その頃には、徳一と義行が自転車で並走してアパートへ‥ 汗を流して学校。 学校ではたいしたこともない。 しいてゆえば、徳一と義行がちょくちょく遊びに来る。 そして毎回同じ質問の繰り返し。 代わり映えのない日常‥ それでも朝の決まった時間に留守電が入る。 《おはよう‥》一言だけ 夜には日が変わる前に 《おやすみ、また明日‥》 あの日からずっと続いている。 昔のアイツからは想像でけへんくらいマメや‥ わかっている。電話に出ればええ事ぐらい ‥簡単な事や。 けどね、なんかアカンねン‥ 泣いて、すがって、我が儘ゆうて、罵ってしまう。女みたいに‥‥ アイツが嫌いなタイプになってしまう。 嫌われとうないやン‥ やから、《おはよう‥》《おやすみ、また明日‥》がある間は 仕事中やからと思って、俺は待っていられる。
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