季節外れの‥‥5

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朝練が終わるまで義行は保健室で俺と過ごす。徳一が朝飯をここで食べて授業に出るからだ。 大抵は徳一との出来事を嬉しそに話すのだが、やっぱり不安が募るのだろう。 その都度、好きになる気持ちに後ろめたさを感じないように‥ 俺自身にも言い聞かすように‥ 「何か手伝おか?」 「ええよ、そこから徳一でも眺めてィ」 少し顔を赤くして、茶かさンとって と小さく云い 「‥先生って忘れられへン人居ンやろ?」 ズキッと鈍い痛みが貫く。 手に持ってたプリントが落ちる。 コッチを振り向きもせず、 「見てたらわかるよ‥今でも好きなンやろ?」 「‥頼むわ‥個人的な事は、勘弁してや‥」 体を屈め拾いあげる。 「世界中の不幸を背負ってる顔してンで‥」 「‥(コイツは、何で人の心を見透かすねン)‥」 「僕ナァ‥、徳一との事先生に話訊いてもらえて嬉しいねン。好きになる気持ちはアカン事やないってゆわれて楽になってン‥‥好きになってから僕、ずっと辛かってン。‥けど、先生と出逢って一人で悩むンはアカンって知ってンな。」 目線はずっと徳一を追いかけている。 「‥どんな人なン?」 「そやな‥説明しにくな‥」 傍に椅子を置いて並んで徳一を眺める。 「前にゆうたけど、徳一に似てるン?」 「サッカーが好きなとこだけな‥」 チラッと見て、 「クスッ‥正直やないな。恥ずかしンやろ‥ホンマに乙女やな‥」 「‥やめてや」 「また、ゆっくりと話してな。」 義行の頭をポンッと叩き、内緒にしてくれるンやったら と笑うと 「当たり前やン‥僕のも徳一に内緒やで」
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