季節外れの‥‥5

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それから何日か経ち、当たり前のように義行と学校へ向かうのが日課になる。 「先生、最近ええ事あったン?」 「エッ‥何で?」 クスクス笑いながら 「口元とか、目元が優しいから」 「そかな‥」 恥ずかしくなり髪の毛を弄る。 「好きな人から連絡あったンやろ。」 冷やかすようにゆうから、 「ほっとけや、別にええやろ。」 「‥うまいこといったらええねぇ。」 真面目な顔つきでゆうから、つい本当の事を話してしまう。 「‥それは無理やねん。アイツ結婚してるから‥」 驚いた顔で、 「なっ‥」 「しゃぁないねん‥好きやから‥だから友達でええねン。」 あまりに寂しく聴こえたのだろう、歩いている俺の前に立ち止まり、 「そんなんおかしいやン‥」 「ええねン‥朝晩電話入れてくれるし、会って話したいってゆうてくれるから‥」 伏し目がちにゆうと、 「嘘や、ええ事ないやン‥電話にでてへンのやろ?」 「‥ちゃうねん、でられへンねん。迷惑かけてしまうしな‥」 真っ直ぐに俺を見て、 「ちゃんと話せな、僕は何があっても先生の味方やから!‥なっ‥先生」 あまりの剣幕に素直に、ありがと‥とゆうてしまう。 「‥おん‥お前はどうやねん、毎日泊まってンやろ?」 「うん、今親が留守やから‥」 「ええナァ‥一緒に過ごす時間があるって。」 「信用されてるから‥やから、手が出されへンねん。」 「いややなぁー、朝っぱらから生々しいやン。」 茶化すように笑うと、 「思春期には、切実なンや」 と、愚痴る。
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