季節外れの‥‥5

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アイツと偶然逢ってから2週間位経った頃、体育の授業で怪我をした徳一が義行に連れられて保健室に来た。 「先生ー、徳一が転けてン、手当てしたって。」 いきなりドアを開けるので驚く。 チラッと見るとかすり傷のようだ。 「入る前にノックせィや!」 「うっわぁー、何、飯食べてン。まだ4時間目やで。」 二人共横にきて弁当を覗く。 「食える時に食わな大変なんや。昼休みは体調崩す奴が多いねン。今食べとかな食いっぱぐれるから、しゃぁないねん。」 言い訳をしながら救急箱を戸棚から出す。 義行は弁当箱を見て、 「バランスええやン‥野菜も入れて彩りも綺麗やし、器用やね。」 そう言って、卵焼きをつまみ上げ半分食べ徳一に半分口に入れている。 「アホタレ、食うなや!」 傷の手当てしながら睨む。 「先生、旨いやン。‥あっ、携帯鳴ってンで。」 机に置きっぱなしの携帯を義行が覗く。 「見っ‥見ンな!そのままでええから!!‥‥」 慌てて、怒鳴ってしまい気まずい雰囲気になる。 「‥仕事中やから‥」 携帯は、まだ鳴っている。 留守電に切り替わる。 黙って絆創膏を貼る。 背中に義行の視線が痛い。 「ホラッ、おしまいや。授業に戻り‥」 「うん、ありがと‥」 徳一が礼をゆう。 ドアを開けて二人が出ていく。 廊下で二人の声が聴こえて、義行が入ってくる。 「先生、ゴメン‥放課後にまた来てもかまへん?‥ほんでやな、僕ホンマに見てないよ。」 項垂れて謝る。俺を怒らしたとでも思ったのだろう。 「わかってるから、お前は悪ないよ。置きっぱなしの俺が悪いンや、大丈夫、いつでもおいでや」 頭をポンッと叩き、早ょ行かな‥徳一がヤキモチ妬くで、と笑うと 安心したよに授業に戻って行く。
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