季節外れの‥‥5

19/21
前へ
/343ページ
次へ
そういや、いつもの女子もサボりの奴も‥ 挨拶だけの奴とか、騒ぐだけの奴も‥ 先生達ですら雑談やらコーヒーを飲みに来ィひんかったけど‥ 「そんなん全然‥何で?」 「アハハー、可愛いンやって先生が、案外ファン多いンやで。だから皆元気になって欲しいンとちゃう?」 そんな事少しも気付いてなかった。 「先生な、直ぐ顔に出るやろ。人見知りで恥ずかしがり屋やのに相談の時は、真剣に真っ直ぐ目を見て、寄り添って訊いてくれるやン‥」 「‥そんなん仕事やから誰だってそうやろう。」 「ちゃうねんなァ、皆ホンマに心配してるか演技かぐらいわかるって。たかがそれくらいの事って思った事ないやろ?それに、僕達位の時の行き場のない苛立ちとか、やりきれン想いとかをまだ持ってて、憶えてるやン‥」 「どうせ、精神年齢の低いガキや‥」また俯いてしまう。 「そんなんとちゃうし‥ただ、僕らに近い大人やねン。」 「うーン?ようわからへん‥」 「アハハー、マァ‥ええやン‥、考える時間たっぷりあったンやろ?」 こっちを見ずにグラウンドを眺めながら、 「なんてゆうてんの?‥」 「‥6時にって、会いたいって‥」 ボソボソと呟く。 「マジっ?デートなん?何て返事したン?」 俺より義行の方が嬉しそに訊くから 「‥デートとちゃうし‥返事してへン‥」 正直に答えてしまう。 携帯を弄りながら着信履歴の名前を見つめた。 「かけなアカンって、先生かて逢いたいンやろ?ちゃんと話せな。」 「逢いたいから会われへン‥やって、迷惑やろ‥まだ友達としてよう会わんし‥第一、奥さんに悪いやンか。」 ‥アカン、泣きそになるわ。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加