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いつもの定位置からグラウンドを見つめ続ける横顔をからは何もわからない。
今まで自分の事で精一杯やったンやと義行の顔を見て気付く。
‥傍に居って今頃気ィ付くなんて
‥ホンマに人としても失格やな、何を浮かれてんねンな
「俺になんか話あるやろ‥」
「‥‥」
窓枠に頬杖ついていたのを、半分顔を隠すようにして徳一を追い続けている。
「何があったんや?‥」
表情からは何もわからないまま応えをゆっくりと待つ。
ぽつりぽつりと
「‥先生‥今日は僕の話は止めとこや。大事な約束あるやろ、遅れたら大変やン‥」
‥やっぱりおかしい、少し抱えこんでいる。
正面に椅子を置き向かい合ってから
「気にすんなや。俺とお前の仲やン‥」
「‥どんな仲やねン。」
なるべく明るく、
「ここに来て初めての友達やで。 」
「アハハー、ホンマに友達居らへんね‥」
思いっきり笑われて、
「そやよ、だから義行の話が訊きたいンや。訊いてもええか?
なんで今日までなんや‥」
「深い意味ないよ、ただそう思ってン‥」
鬱陶しそにゆう。
「徳一のオヤジさんと関係あるンか?」
図星みたいに目を丸くして俺を見る。
少し間を置いてから、
「‥勝たれへンねン‥僕じゃぁアカンねン‥」
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