季節外れの‥‥6

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そろそろ部活が終わって徳一がやってくる頃だ。 ドカッドカッ‥  大きな音をたてながら入ってくる。 「義行ー!帰ろう‥どっ、どうしたン?目赤いやン。泣かされたンか?」と、俺を睨む。 「ちゃっ、ちゃうで俺は何もしてへんし‥」俺の言葉を遮って、 「徳一。訊いてもええか?」 「うん、何?」 「僕の事‥」言い出したのを止めて、 「だから待てって‥俺外に居るから、二人で話しィや。」 廊下に出てドアを閉めると、一年生のクラス担任がちょうどこちらに向かって来ていた。 慌てた様子で、 「良かった、まだ帰られてなくて。」 「どうかしたんですか?」 尋ねていると、すぐ後ろに校長先生もやってきた。 ただならぬ様子で顔つきが険しい。 「これから生徒の家を訪問するのですがご一緒していただけますか。」 「はァ‥構いませんが、もしかして前におっしゃていた生徒ですか?」 「そうです。詳しくはまだお話していなかったのですが。」 ‥前任の先生の事だ。初日には勤務態度だけ聞いていたのだが、さらにその先があったらしく、 初めは口ごもっていたのだが、先生同士顔をみあわせてから 「先生と関係ないのですが‥」と話始める。 ‥余り口の固い方ではなく、生徒の個人情報や悩み事を迂闊に喋ってしまうタイプらしく、それまでも幾度とあったらしい。酒の席で面白おかしく話をして、たまたまそこにいたのが親御さんで大問題になった。 当の本人には反省の色がなく余計に反感をかい事は保護者会迄、発展した。
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