季節外れの‥‥7

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‥あと、一時間程で逢えるンや。 ちゃんと留守電訊いてくれてるやろか? 携帯を手に返事がないことに不安が募る。だが、昔からそれは当たり前の事やった。 暫く考えていたが、今の間に残った雑務を整理して着替えを洗濯機にほりこむ。 ‥時間の許す限り、今日は話がしたい。 仏間に行き先輩に話かける。 ‥なぁ、やっと今夜ゆっくり逢えそやねン。 ホンマに嬉しいンや。 全部いっぺんに話でけへンと思うけど‥ 何から話したらええンやろか? アイツと離れてから順を追って話したらわかってくれるやろか? なぁ、先輩はこの時の事を心配してくれてたんやね。 ‥そんな無茶な約束して、相手のひと傷つけてしまうよ。 待っててあげるンやないの? 大丈夫やから‥徳一は私が護る。 ‥何でなん?この先は無理やン‥一人前になる前に一人ぼっちになってしまうやン‥ なっ、先輩‥結婚しよや。 ‥アカン!アカンって、井本は絶対にアカン!その子をちゃんと待っててあげてや、お願いやから‥ きっといつかは、後悔する日がくるねんて。 私と徳一の事は切り捨ててや… きっと戻って来るから、お前を信じて進んだ道にお前が居らンかったら可哀想過ぎるよ‥ その子の道は井本、お前に繋がってンやで‥ ‥そうやと信じてる。絶対に繋がってると思ってる。 だから今、ここでこの決断しても俺に繋がってて続いてるンやったら、きっと大丈夫。俺は一生かかっても待ってるし、アイツはわかってくれる。
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