44人が本棚に入れています
本棚に追加
写真に語りかけ、フッと自虐的な笑いが溢れる。
‥しかしよくそんな大口叩けたなぁ、不安で一杯やのに‥
約束なんかしてへんやんかぁ、
忘れろって言うといて、
勝手なもんや‥と自分でも思う。
‥無理した笑顔見たせいで毎晩寝れんと、迷惑なんか考えず留守電入れて‥
《また明日》が昔みたいにゆうて欲しくて‥
‥なぁ、先輩。のり君を紹介したらわかってくれるやろか?
あんなええ子やから、あの頃の俺と先輩の気持ちわかってくれる、けど、のり君はショックやろな‥‥‥
‥正直な、ツラいねン。このまんま逢えンようになってしまう気がして‥
「まっ、考えてもしゃぁない。なるようにしかならんよな。」
時計を見ると5時半を回っている。慌てて出掛ける用意に取り掛かる。
キッチンに行き、携帯の着信に気付く。
‥なんや、嫌な感じやな。
留守電をチェックする。
《ゴメン、俺やけど今日はアカンようになっ た。‥‥じゃ。》
あの日以来の、久しぶりの低くよく通る声。
‥なんや、アカンのか。急、過ぎたンやな‥
仕事してたら、しゃぁない。
今までの期待が一気にしぼむ。
急いでかけ直すが、無機質な案内の声
‥お客様のお掛けになった電話番号は、現在、電波の届かない場所に居られるか電源を切って‥‥
‥まさか、着信拒否?ちゃうよな‥
今まで繋がってたよな‥何でマナーモードやないねん。
身体が震えて、不安が広がる。
考えれば考える程、悪い方に思ってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!