季節外れの‥‥7

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A判定やったらデート。 合言葉みたいなもんやった。 お互いの家に行き来があっても身体を合わすなんてホンマのたまの事やし、まだまだ、触れ合う位のかわいいもんやった。 ……《バニラ・・・》…… ホンマに甘いだけの触れ合い。 二人きりになると自然に距離が近くなってお互いに微笑み合い唇が重なる。 次第に塞がった口元から吐息が漏れはじめ当たり前のようにお互いのモノに手がいく。 有り余った欲望を吐き出すだけ‥ それでも、繰り返さずにはいられない。 恥ずかしさよりも、口には出さないけど目の前にある愛しい存在を確かめて、離したくなかった。 アイツの白い肌は、毎日の図書館通いでさらに白くなっていた。 俺が頬に触れるだけで紅く染まっていく。 ‥まるで、季節外れの桜が咲いたようやった‥ そんな事を重ねる度に、益々A判定にこだわっていった。 A判定がとれた時、約束のデートを決行した。其れが、アイツとの最初で最後のまともなデートやったと思う。 そんな初めての時は、お粗末なもんやった。 下世話な話やけどヤル場所がわからへん。お互いの家じゃぁ、落ちつかへンし、地元じゃぁ、ラブホもムリ。かといって、金もない… ない知恵絞って、ビジネスホテルになる寸前やった。 それでもやっぱり人の眼を気にして態態、大阪まで出掛けた。 天満宮に合格祈願をするという理由をつけて‥‥
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