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玄関先で騒がしい声が聞こえてくる。徳一と義行が帰って来たようだ。
「ただいま!」
滲んだ涙を悟られないようには拭い取って
「お帰り。割と早かったな 。」
「俺、着替えてくるから待っててや。」
二階にそのまま上がっていく。
リビングに義行が顔を出し、
「今晩は、‥おじさん眼赤いけどどうしたン?」
「アッ、コンタクトレンズが調子悪いねん‥」
「そうなんや。今日はありがと、僕まで誘ってくれて。」
照れくさそうに俺の前に座る。
「義行君、お帰り。」
「おじさんに君付けされたら、恐いよ。何かあるんとちゃいます?」
冗談混じりに怯えてみせる。
「せやな、義行君。俺今日はお前に大事な話しようと思ってンねん。」
真剣さを汲み取ったのか急に面持ちを固くなる。
「変に勘繰ったり疑ったりしたらアカンよ。‥義行と徳一の仲がおかしなったら嫌やねん。‥‥徳一はお前と居る時が一番幸せそに笑て居てる。」
気ぃ付いてるよな‥と、付け加えて顔を見る。
目線は落とさずまっすぐ俺を見据えているのを確認して続ける。
「お前とやったら、このまんまずっと幸せで居れる気がすんねん。‥‥せやから、‥訊いときたいねん。」
徳一が居らん内に、ええか?‥義行の心に尋ねた。
「はい。」
短くもしっかりした返事が返ってくる。
「単刀直入に訊くけど、どこまでの仲なん?‥」
「へっ?‥」
サラッと訊くと目の前で義行が目を丸くして驚いている
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