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雨宮悠……
わたしの家の向かいに住む、七つ年上のお兄ちゃんだった。
その上わたしの初恋の相手。
って……
今でもバリバリ恋しているんだけどね。
まさかそんな悠兄ちゃんが、今年からわたしの担任の先生になるなんて、夢にも思わなかった。
この教室のど真ん中がわたしの席。
真正面に立つ悠兄ちゃんと一瞬目が合った。
「……」
どうすることも出来ず……
そのまま、そっと目を逸らした。
は……
恥ずかしい。
マジで、ゼロコンマ一秒くらい目が合っただけなのに……
きっとわたしの耳は真っ赤に染まっている。
下を向いたまま、素早く手で髪を撫でつけて、耳を隠した。
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