序章 損失は幸運に痛し

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「わかりましたぜ……」 こうして、光夜は入浴した。 何気ない疲れが、やっと落ちて行く気がする。 「はぁ……」 またも溜め息をついてしまった。 光夜はシャンプーを手にし、頭を洗い始める。 小さめの鏡の前で、黙々と頭を洗う。 ある程度よく洗った後に、シャワーを手に取った。 そしてお湯を出す、その時だった。 「ッ!?」 鏡に、風呂にあるはずのないモノが一瞬見えたのである。 「なんだ?」 と、恐る恐る振り返るも、そこには何もない。 「なんだか……羽根に見えたが……疲れてんのかな」
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