序章 損失は幸運に痛し

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†~2~† 野宿は逃れ、これで安心していた光夜。 しかし、彼は由花梨の部屋に入って気付いた。 ――ここは女の子の家――だと。 幼馴染みとはいえ、家に入るのは十年ぶりくらいである。それもその時は小学生だ、何も考えず無邪気な時期である。 だが、今はどうだろう。 光夜は思う。青春こそ危ういのだが、モテもしない少年が女の子の家に上がってよいのだろうか、と。 「だからと言って今出るのは失礼だよなあ……」 「ん? なんか言った?」 「い、いえ何も……」 そのまま光夜は彼女の案内の元、ある部屋に入った。
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