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私は急いで教室に向かう
ガラッ
「ごめんね嵐くん待たせちゃって…」
嵐くんは窓を見ていたけど私が声をかけるとゆっくりと振り返った
「じゃあ行こうか?何処から案内したらいい?」
私が問いかけても嵐くんは返事をしてくれない。私は不思議に思いもう一度話しかけた
「嵐くん…?」
私がもう一度問いかけて少しすると漸く嵐くんが口を開いた
「…季結ちゃんは護くんと付き合ってるの?」
だけど嵐くんの口から出てきた言葉は私の質問には関係無い答えだった
「え…?っと…もしかして見て、た…?」
「うん」
私は恥ずかしくなったけど正直に話す
「うん…今日からね、付き合い始めたんだ…」
「そう…ごめんね案内させちゃって」
私は慌てて否定する
「え…!そんなことないよ護くんも早く帰らなくちゃいけなかったみたいだし…それに久し振りに嵐くんに会えたんだもん」
「私は嵐くんを案内出来て嬉しいよ?」
だから気にしないでと嵐くんに言うと頷いた
「…季結ちゃん、約束覚えてる?」
「約束…?」
私が首を傾げると
「…ううん何でもない。それじゃ案内お願いできる?」
嵐くんが急に話題を変えたので私は気を遣わせちゃったかなと思った
「うん、いいよ。何処がいい?」
すると嵐くんは少し微笑んで
「…屋上」
と言った
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