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私達は屋上に来た
「…嵐くん、本当に屋上だけでいいの?」
「うん」
嵐くんは案内するのは屋上だけでいいと言う
ビュウッ
「わっ…結構風強いね、それに秋だから少し肌寒い…」
「…季結ちゃん髪長いから平気じゃないの?」
嵐くんはクスリと笑う
「嵐くん…髪長いからって寒さを完全防備出きる訳じゃないんだよ…?」
「そうだね」
ポツリとそれだけ言うと嵐くんは黙ってしまった
でも何故か笑みは崩さない
今日、教室に入ってきた時からずっと嵐くんは笑っている
だけど瞳は一度も笑ってない気がした
そんなことを考えていると嵐くんがゆっくり口を開いて私に問いかける
「…ねえ季結ちゃん、此処から落ちたら死んじゃうかなあ…?」
私は嵐くんの質問の意味はよくわからなかったけど答える
「うん…凄く高いし、死んじゃうんじゃないかな…」
「…そうだよね」
心なしかさっきまでの微笑みとは別の類いの笑みを嵐くんが浮かべたような気がした
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