友達

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菜摘side 季結が帰ってから改めて自分の体の傷を見る、大きな怪我はないけど細かい傷は数がかなりある それに… ズキッ 「っ…」 右腕の二の腕に左手をやると痛みが走った 「良かった季結に知られなくて…」 細かい傷だけを見てもあんなに心配していたんだからこの腕のことも知られたらどうなっていたか分からない 「季結に酷いこと言っちゃったな…」 傷付いてたみたいだった…もう少し言葉を選ばないといけなかった、いくら心配かけないようにと思ってたからって…傷付けたら意味がない それに…私は別に気になることがある 私は足を踏み外して階段から落ちたんじゃない、誰かに背中を押されて落とされたんだ 誰か…は、私は分かっている気がする コンコン 誰かが病室のドアを叩く 「はい」 ガラ… 「具合はどう…?」 其処にいたのは昨日転校してきて私とはまだ一度も話したことのない嵐くんだった 「嵐くん、態々お見舞いに来てくれたの?」 「うん、階段から落ちたんでしょ…大丈夫…?」 「うん、そう…」 ゆっくりと扉を閉め私に向き直り、またゆっくりと私に近付いてくる嵐くんを私は何も言わず見ていた
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