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「あ、そうだ季結知ってる?今日ね、転校生が来るんだって」
「転校生?」
「しかも男の子だってさ。ま、彼氏ができたばっかりの季結には関係無いかあ?」
菜摘ちゃんが横目でチラッと私をみてくる
「も、もう。からかわないでよ~恥ずかしいよ…」
恥ずかしいのは本当だけど嬉しいのも事実だった
ふと窓の方に目をやるととても綺麗な紅葉が目に入った
(…転校生か…)
ガラッ
「はい、おはようございます。今日は転校生を紹介します入ってきなさい」
先生に促され転校生が教室に入る
「…初めまして、霧野嵐(キリノ アラシ)です。宜しくお願いします」
名前を聞いて、菜摘ちゃんと話していたけど顔を転校生の方に向ける
「…嵐くん?」
「嵐くんて前に季結が言ってた7歳の時に引っ越しちゃった幼馴染み?」
「うん…よく覚えてるね…そんなこと」
「何だ桜城、知り合いか?なら丁度良い色々教えてあげなさい」
「あ、はい」
すると嵐くんが近付いてきた
前髪が長くて顔が良く見えない。でも前髪から覗かせる瞳は昔の面影は全くなく見たことがない位感情の無い瞳だった
サラサラの黒髪は肩にはついていない
「嵐くん、何時案内しようか?」
「放課後に…「季結ー!」
「あっごめん嵐くん、放課後ね!分かった」
私は菜摘ちゃんに呼ばれ嵐くんの所から立ち去った
菜摘ちゃんと楽しく話している私を嵐くんがじっと見ていたことには気付かなかった
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