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ドラゴンは口を開けた。
ブレス!?
ブレスなら走って逃げることはできない。
「まだやりたいこともあったのだが……」
せめて目の前の恐怖から逃げるために目をつむる。
『そこの者、少しよいか?』
ブレスの変わりに放たれたのは、まるで王のような迫力と威厳の声だった。
生きているという安堵よりも喋ったという驚愕から目を開け、ドラゴンを見る。
『ん?用があるのは貴様ではない。貴様の後ろの者だ』
後ろ?
ドラゴンを前にしてよそ見をするのは自殺行為だが、目の前のドラゴンは言葉を使い、とても知的だ。
なにより、私に興味がない。そう言っている。
恐る恐る、後ろを向く。
そこには、4対の黒い翼をもつ男がいた。
Said out
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