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「遥おはよ!」
里沙が椅子に座ったまま挨拶してくる。
「里沙…おはよう」
心配かけたくないから暫くは言わない方が良い。落ち着いてからにしよう。
私、ちゃんと笑えてるよね?
「遥、クマ出来てる。
ケンカでもした?」
…顔に出てたらしい。
バレない様に装ってみたけど無駄な抵抗だった。里沙は勘が良いから。
昨日の事が頭から離れてくれなくてあまり寝れなかった。
心にぽっかり穴が空いてスースーしているみたいだ。
「ちょっとね…あはは」
引きつった笑いになってしまう。
私は隠し事が苦手だから…
そんな様子を見て里沙は心配そうな顔をする。
「言えるんだったら話聞くよ?」
「…うん。じゃ…今日は里沙の家に行っても良い?」
「良いよ。おいで」
里沙はいつも優しい。
頼りになるお姉ちゃんみたいに
いつも助けてくれる。
あ、ヤバイ…涙出そう。
仕事はちゃんとしなきゃ。
周りに迷惑はかけられない。
気持ち切り替えなければ。
どうにかいつも通りに仕事をした。
ひたすらデスクに向かって余計な事は考えない様に。
そんな私を見つめていた視線には気付かずに…
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