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少し驚いた顔をした悠さんだけれど、すぐにいつもの顔に戻った。 「あはは!俺はあんな無愛想な男にはなれないよ!お客さんが逃げちゃうからね♪じゃ、ごゆっくり!」 そう言ってカウンターへと戻って行った。 「無愛想…確かにそうですわね」 ふっ…と、笑った美咲さん。 いや、そんなに無愛想でもないんだけどね?私の前では… 勿体ないから言わないけれど。 「あら?何かおかしくて?」 「えっ?な、なにも?」 「………まぁいいわ、冷めない内に頂きましょう」 疑いの眼差しをするも、問い詰めては来なかった。 パスタが冷めない内に食べよう! 「「美味しい」ですわね」 カウンターの中で、それが聞こえたのかニコニコしている悠さん。 ほんと、悠さんのパスタはどれを食べても美味しい。 お腹も満たされて、ホッと一息ついた頃に…美咲さんが話を切り出した。 その表情は、どこか少し寂しそうにも見えた。
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