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大好きな香りに混じって、アルコールと煙草の匂いがした。
「祐士さんも、お風呂どうぞ?」
胸元に顔を埋めたままで、祐士さんを見上げた。
「そんなに良い匂いさせて…
まるで誘ってるみたいだな」
優しく微笑み、濡れてる髪を撫でながら言ってきた。
目は優しいのに、口元だけが意地悪になってる。
「……先にお風呂にして下さいね。煙草の匂いが染み付いちゃいますよ?」
「……へぇ?
誘ってるの否定しないんだ?」
祐士さんは、より一層意地悪な顔になった。
「……しま…せんよ?」
今日は何だか…
明日ももちろん仕事だけど、祐士さんを感じたかった。
祐士さんのぬくもりに包まれたかった。
見つめながらそう言えば、祐士さんは少し驚いた顔をする。
「明日も仕事だけど?」
「………知ってますよ。
だから…
お手柔らかにお願いします」
言ってて段々と恥ずかしくなってきて、言いながら再び顔を胸元に埋めた。
すると、さっきよりもきつく抱き締められた。
「玄関先でそんな可愛い事をするなよ…風呂に入り難くなる」
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