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ほとんど裸同然の祐士さんは、私を優しく包む。 洗いたての髪からは、シャンプーの香りがしてくる。 ドキドキと鼓動が早くなっていく。 目からは涙が溢れてしまった。 「何で泣いてる?」 「呆れられちゃったのかと思ったから…」 「そんな訳ない。言っただろ? 大歓迎だ、って」 「ふぅ…ぅ…」 それを聞いて嬉しくて、涙と共に嗚咽が漏れてしまう。 好きで好きで仕方なくて もっと沢山触れ合いたいけど 言って呆れられたら… とか 急に冷められたら…とか 色々不安になってしまう。 好きだから愛し合いたくて。 でも、嫌われたくなくて… 自分の一挙一動に不安になる。 こんな風に思うのは初めての事だから。 今までにない感情を、自分でもどうしたら良いのか分からなくなってしまう。 こんな私を見られたくなくて 顔を両手で覆った。 涙は溢れて止まないまま、シーツに流れ落ちる。
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