32/33
前へ
/713ページ
次へ
祐士さんが人差し指の背で涙を掬ってくれる。 「俺は、はるに求められれば素直に嬉しいよ。寧ろ、もっとそうして欲しいくらいだ。いつも俺ばかりが求めてるみたいだからな… こんな貴重なはるも…愛しくてたまらない。 だから泣くな」 そう言って私の手を退けてから、私を宥めるかのように優しくゆっくりとキスをくれる。 唇が触れるだけのキスから 唇を包み込んで食む様なキス。 次第に舌が絡まり合う お互いの舌を確かめあうかの様に 優しいキスに、不安な気持ちも解されていくみたい。 そして、熱を帯びてくる体に意識は持っていかれる。 祐士さんの手が裾から入り込んで私を更に心地好くさせてくれる。 不安はあっという間に消え去り、疼きが支配する。 触れられてる所が熱い そこに神経が集中していく。 どうしてこんなにも感じてしまうのだろう。 私が厭らしいから? それも少なからずあるかもしれないけれど… きっと…心も身体も、両方で祐士さんを欲し求めてるから。 だからかもしれない。
/713ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9848人が本棚に入れています
本棚に追加