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「……っ! い、いいから、さっさと行けっ! もし何もせずに帰ってきたら、許さないぞ!」
ニコリと微笑んで礼を言うと、伎崎はかぁーっと顔を紅潮させてあたふたと私を追い払おうとした。
それがまた微笑ましくてニコニコしながら礼を言うと、彼はより顔を赤くして私を見つめながら硬直していた。
そのまま踵を返して店内を駆け出し、私は学校へと一直線に向かった。
伎崎が、勇気をくれたんだ。
ちゃんと、伝えなきゃ。
その思いだけを胸に抱き、私は真夏の炎天下の中をただ駆け抜けた。
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