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ずるい?
何が?
私、そんなずるいことばっかりしてたかな……?
「今日、俺ばっか好きだって言ってるし、行動してる。ミケにも好きって言って欲しいし、キスして欲しいんだけど」
「~~~~っ!?」
ぎょっとして、私は咄嗟に逃げ出そうとする。
だが、結城はそれを許してはくれない。
ニヤリと微笑むと、思い切り私の腕を掴んで引き寄せてきた。
勢い余った私は、そのまま結城を押し倒すような形になってしまって。
内心大パニックの私をよそに、結城は「ミケって意外と大胆」とか馬鹿なことを言ってカラカラと笑っている。
不意に、先生に言われたことが頭を過ぎる。
……いやいやいやいやっ!
絶対ない!
それはさすがにしないって!
ぶんぶん頭を振りながら、頭を過ぎったとんでもない妄想を投げ捨てる。
僅かに口角が上がった結城は、私の首に手を回して逃げられないように固定してきた。
今まで以上に、心臓が壊れそうなほど五月蝿くなった。
何が好きで、私は今結城の顔の横に両手をついて、押し倒しているような体制でいなきゃいけないんだろう。
しかも結城、なんかニヤニヤしてるし……。
絶対、何か企んでる顔だ。
「わ、私だって、二回も好きだって言ってるもん」
「嘘だ、俺、一週間前に初めてそんなこと言われたぞ?」
「……あんたが気付かなかっただけっ」
ぺしっ、と全く痛そうじゃない音を立てながら、私は結城の胸を叩いた。
結城はニコニコとしながら僅かに首を傾げている。
さすがに、私の言った意味が解らなかったのだろう。
じーっと私のことを見つめながら、結城は不思議そうな顔になった。
「いつ?」
「……」
「ねぇ。ミケ?」
「……」
「おーい、ねーってば。早く教えてくれないと…―――」
断固として言おうとしない私に痺れを切らしたのか、結城は不意に手を伸ばしてきた。
その手が制服のリボンに触れて解こうとしていたので、私は焦って結城の手を止める。
「待っ……いっ、言う! 言うから、それは駄目っ!」
「……ちぇっ、なーんだ。残念」
おどけたようにぺろりと舌を出す結城に、私はとにかく恥ずかしくて顔を背けた。
だが、あんまり黙っているとまた結城に何かされるのではと思い、さっさと真実を告げることにした。
「……夏祭りの時、ベンチで言ったよ」
「えっ?」
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