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光を感じる。
やわらかい日差しが、部屋の中に注がれている。
カーテンの向こう側は、すっかり日が昇っているのがわかる。
ゆっくりをと目を開けながら腕を伸ばすと
隣にいるはずの温もりがない。
上半身を持ち上げて確認する。
裸の肌に冬の空気がまとわりつく。
部屋を見回しても、人の気配が感じられない。
手を伸ばし、ベッドの下に置かれたスウェットを穿く。
上半身はそのままにベッドから抜け出す。
部屋の空気は自分以外の動きを感じさせないくらい
静かに冷たく漂っている。
「帰ったのか・・・?」
独り言がやけに大きく部屋に響く。
途端、寂しさと昨夜のことが頭の中を駆け巡る。
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