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その日、彼は一瞬でみんなの心を奪っていった。
転校初日から
明るく可愛らしい顔立ちの彼の
周りには人がたえなかった。
私と言えばそんな彼を遠くから見ているだけ。
それだけだった。
小学校5年生も6年生も同じクラスだったけど
記憶に残るような彼との記憶は
たまに交わした
おはよう。とか
ばいばい。だけ。
それでも好きだった。
そのまま卒業。
中学は私がみんなを避けた。
みんなを、じゃなくて彼を。
中高一貫の私立に入りたい、と親に頼み込んだ。
仲の良かった友達は悲しがってくれた。
私だってみんなと離れるのは辛かった。
でも、それ以上に
私は彼を見るのが辛くなっていた。
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