1、愛してるってこと。

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その日、彼は一瞬でみんなの心を奪っていった。 転校初日から 明るく可愛らしい顔立ちの彼の 周りには人がたえなかった。 私と言えばそんな彼を遠くから見ているだけ。 それだけだった。 小学校5年生も6年生も同じクラスだったけど 記憶に残るような彼との記憶は たまに交わした おはよう。とか ばいばい。だけ。 それでも好きだった。 そのまま卒業。 中学は私がみんなを避けた。 みんなを、じゃなくて彼を。 中高一貫の私立に入りたい、と親に頼み込んだ。 仲の良かった友達は悲しがってくれた。 私だってみんなと離れるのは辛かった。 でも、それ以上に 私は彼を見るのが辛くなっていた。
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