第0団体

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クソックソックソッ! 心のなかで悪態をつきながらどしゃ降りの雨のなかをぬかるんだ地面を蹴り、走る。 今は全てが不快だ。 プレートアーマーや腰当ての中は入り込んだ雨水のせいで湿気が多く、走っていることで蒸れてそれが不快だ。 髪の毛が濡れたせいで目にかかるのが不快だ。 滑りやすいぬかるんだ地面が不快だ。 この暗い森が不快だ。 国の兵士だから命からがら生き延びたので他が死んだことを急いで首都にまで戻らないといけないという今の状況が不快だ。 ああ、本当にイライラとする。 でも一番イライラとするのはあの冒険者どもだ! わざわざ俺達は首都から離れて辺境の街にダンジョンから溢れだしたモンスターを一匹も中には入れないで犠牲を払いながらも街を守り通したというのに称えられるのはモンスターを倒した冒険者ばかり。 俺達兵士は逆に街の連中から「役立たず!」と罵られることばかり。 お前らを守り通したのは一体誰だとおもっている!
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