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稼働域がそこそこあって親指のように太くない人差し指を眼球と骨の隙間の隙間に少しずつ差しこんでいく。
指に感じるのはねっとりとした感覚と眼球独特の微妙な感覚。
ズブズブと進んでいく毎に襲う気持ちの悪い痛み。
再生はしても痛覚が遮断されている訳でもなければ軽減されている訳でもない。
痛い。
気持ちが悪い。
砂が入ったり等とは比較にならない異物感に襲われながらも指を極力震わせないように作業を進めていく。
眼球を取り出すだけなら後は視神経さえ切ってしまえば楽に取り出せるようになるのだが、くっつける作業があるから切り離した視神経を引っ張り出す必要性がある。
これがネックだ。
眼球に視神経が着いたまま引っ張り出して切断の後、『バジリスクの石眼』をくっ付けて戻す必要がある。
流石に押し込んだだけでくっ付いてしまうほど簡単な体でも、便利なスキルでもないだろうからね。
引っ張りすぎてそのまま脳ミソの一部まで視神経ごとプチッといってしまいそうで恐い。
いくら詳細なデータを逐次魔法でスキャンしても限度もタイムラグもある。
いくときは一気にプチッといってしまうだろうからそれでプチッ!と即死しないようにしなければならない。
慎重に、慎重に……。
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