第3団体

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「ミューさん、ということはここかなりヤバイんじゃないですか」 「うん、ヤバイね。見つかったのはつい最近でそれまではダンジョンのある場所に何もなかったんたからできてすぐなんだろうと思うけど、それにしては瘴気が既にあるなんてヤバすぎるよ。普通瘴気なんてかなり上位のダンジョンにしかないからね」 「ミューさんやアミさんはそういうダンジョンに入ったことあるんですか?」 「ないよ。」 「私もないです。でも、変態さんにはありましたよね?」 「おいおい、呼び方まで変態はないだろ……」 先輩が軽口をたたくが誰よりも先輩の顔が深刻そうだ。 「答えだけを言うなら一度だけならあるよ。このパーティーに入る前のパーティーでな」 「その時はどうだったんですか?」 アミさんが一歩踏み込むように聞く。 聞かれた先輩の顔は苦しそうで辛そうだった。 「最悪だったよ。 そこは瘴気系のダンジョンの中でもその時は一番レベルが低かったにもかかわらずな。その時はダンジョンに挑む時にペナルティが発生しない上限人数の十人で入った筈なのに出てこられたのは俺を含めてたったの三人だけ。モンスターは弱かったが何よりも階を降りるごとに酷くなる瘴気が厄介だった。時間が経てば経つほどダメージを受ける上に毒と違って解毒ができない。極めつけは挟み撃ちにしてきた合計百にも届くかというモンスターの群さ。動けずにジワジワとダメージを受けて仲間がどんどん死んでいきやがったよ」 背筋がぞっと寒くなった。 死が世界中のどこよりも身近にあるということを感じてしまう。 「そんなことがあったのか……」 いつの間にかリーダーも先輩の話を聞いていたようだ。 「もしも本当に挑むなら如何に早く最下層のダンジョンの主の元にたどり着き、倒すかを考えた方がいい。人数が多くなるほど僧侶に負担がかかっちまう。僧侶は生命線だ」
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