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「走れ!ゴーストに憑依されるぞっ!」
(言われなくてもそうするさっ!)
心の中で悪態をつきながらも走る。
どこをどういう風に走ってどういう方向に進んでいたのかがまた分からなくなった。
最初は二階層目だからなのか一階層よりも量を増やした不気味な赤黒い蔦のようなものを斬って目印のように進んでいたのだが今はもうそんな余裕はない。
次々と通路から生者を求めて亡者が沸きだしてくる。
はっきり言ってアミちゃんは僧侶としてはまだまだ未熟な部類に入るだろう。
しかしゴーストが倒せるのはアミちゃんしかいない。
それでもアミちゃんが相手にして勝利できるのは一度に二体が限界。
次々と現れるものだから相手にできる訳がなく、走っているものだからアミちゃんはまともに神に祈りを捧げて神聖魔法を使うことができない。
ごくたまに発動させても一体や二体を削るだけで焼け石に水状態。
そして逃げるにも限界がある。
ただでさえ足場が悪いために余計に体力を使う上に見通しが効かず精神的にも消耗する。
特に真っ暗な通路からゴーストがぬぅーと現れた時には心臓が止まる思いさえする。
アミちゃんなんかもう息も絶え絶えという状態でいつ走れなくなるか分からない上にミューちゃんも苦しそうだし、リーダーは持ち前のステータスのお陰でいまのところはどうにかなっているが、思い防具がかなり負担になっていることが額をつたう汗が物語っている。
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