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「大変だったな」
「は、はぁ」
あれ?と思った。
どんな高圧的な奴かと思いきや思いの外物腰が柔らかい。
だが油断はできない。
相手は貴族様。
腹芸は大得意だろう。
「まさかただの兵士階級で君のような者がいようとは思わなかったよ」
つぅーと嫌な汗が流れる。
どういう意味だ?
まさかダンジョンマイスターだっていうことがバレた訳じゃあないよな?
「初めて見た時には特に特徴のなさそうな外見に騙されるところだったよ」
「と、特徴がなさそうですか……」
ヤバイヤバイ。
動揺を必死にせめて表情だけでも平静を装う。
核心に迫られているような気がする。
「外見通りのステータスじゃあないね。君からは強力な力と平民では使える者が殆どいない筈なのにも関わらず宮廷魔法使い並の魔力も感じる。何よりも君から放たれる強力なモンスター並の気配がその証拠だね」
それ『プレッシャー』だよっ!
何あれ!
オート発動だったの?
朝から道行く人が俺を避けていくと思ったらそれが原因だったの?
どうすんだよこの状況!
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