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そしてとうとう10月。
「今日からここが俺達の職場か……」
ルークよりもはるかに大きいそのビルを私達4人は見上げた。
「なんだか緊張してきちゃった」
ひよりが珍しい事を言った。
「ひよりが弱音吐くなんて珍しいわね」
私と同じ事を思っていたのか千恵が冷静に言った。
「あのねぇ。私の事なんだと思ってるのよ」
ひよりの言い方に千恵がクスリと笑う。
恐らくひよりより私の方が緊張している。
なにせ会社に入るには受付を通らなければならない。
あの時の受付の子いたら嫌だな……。
あんな大騒ぎをしたのだ。
忘れられてる可能性は少ない。
なにせ受付は人の顔を覚えるプロなのだから。
「早く行こうぜ」
義春が先頭に立って歩きはじめる。
私達はその後を追った。
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