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「そうよ。あなたが自分のパソコンで作成してる所を見たって人がいるの」
それは全くのでたらめだ。
私がそんなものを作っていない事は明らかだし仮に私が犯人だったとしたら、わざわざ会社でそんなものは作らない。
早瀬さんは私のPCにデーターが残っていると思っているのだろう。
だからあんなに自信満々なんだ。
「その人の見間違えじゃないんですか?仕事中にそんな事しません」
「そう。解ったわ。だったら調べましょう。削除してもデーターって残ってるものなのよ」
「そうですか……。でもどうやって?」
そこにナイスなタイミングで碓氷さんが現れた。
「何をなさっているのですか?」
碓氷さんの登場に少し驚いた様子の早瀬さん。
気づいてしまわないかドキドキした。
早瀬さんは課長と私の事を知っている。
という事は当然碓氷さんとも面識があるのは解るはずだから……。
「いえ……。何でもないです」
私は知られたくない素振りをする。
これはわざとだ。
こうやって早瀬さんの警戒心を解くため。
「碓氷さん。お願いがあるんです。松本さんのPCの中を調べてもらいたんですが」
またもや作戦成功。
意外と早瀬さんは単純なのかもしれない。
「どうゆうことなのでしょうか?」
早瀬さんが碓氷さんにこれまでの事を話し出した。
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