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話を聞き終わった碓氷さんは私をチラリと見て、
「松本さん、本当ですか?」
と聞いてきた。
「私は何もしていません」
「もし調べてその話が本当だったらとんでもない事になりますよ」
碓氷さんの目力にビクッとなる。
これってお芝居だよね……。
そう解っていても怖かった。
「本当です。私は親友にそんな事しません」
「解りました。では早速調べて見ましょう。ですがあいにく私はPCにはあまり詳しくありません。どなたかご存知の方はいますか?」
碓氷さんは早瀬さんに言った。
「情報システム部にお願いしたらどうでしょうか?」
「では部長にお願いしましょう。どちらかに面識のある方だと公平にいきませんからね」
早瀬さんが一瞬眉を寄せた。
きっとお願いしてた人がいたのかもしれない。
「そうですね。その方がいいですよね」
それでも自信があるのだろう。
私はPCには詳しくないがきっと普通の人じゃ出来ないシステムになっているから削除出来ないと思っているのかもしれない。
「では早速松本さんのPCを調べましょう。ディスクトップですから持ち運び出来ませんし場所は松本さんの席でやりましょうか」
「はい」
早瀬さんは返事をして私に向かってニヤリと笑った。
建築部内でもし私のPCからデーターが出てくれば皆に知られる訳で私はこの会社にいられなくなる。
大丈夫かな?
義春の事を信用してない訳じゃないが早瀬さんの自信満々の態度にちょっとだけ心配になってきた。
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